手書き旅2 南極編 (後半)
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* 手書き旅2 南極編 (後半) [#jf226f7c]
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#ref(tegakitabi02_31.jpg,left,nolink)
5日目も波乱の幕開け
当初予定していたオルネハーバーへの航路が、強い北風で運ば...
そこで予定を前倒しし、ウィルヘルミナベイのクルーズ等に変...
「予定変更はいいですが、移動時間のおかげで午前の行動時間...
「相手は雄大な自然だから悔やんでも仕方ないずい
それよりもこの時間を大切にいっぱい楽しむずいよ!」
「おや、髄鶴らしからぬ殊勝な考え方ですね、偉いですよ」
「ずへへ、それ程でもないずいよ
それはそうと、なんでこんなに複雑な形状になるずい?」
「そうですね、あちらに説明にいい場所がありますから行って...
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_32.jpg,left,nolink)
「昨日も似た場所がありましたが、このように陸地に降った雪...
そして重みに耐えかねて海に崩れてしまったものが、氷山や流...
「こうずいか? こうずいね?」
~
~
~
~
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_33.jpg,left,nolink)
「あそこの雪壁も美しいですねー、形がほとんど崩れずに割れ...
辺りを漂う細かい氷同士がこすれる、カラカラ、シャラシャラ...
「あの程度で殴るなんて姉の風上にも置けんずい」
~
~
~
~
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_34.jpg,left,nolink)
「こちらの氷山も非常に面白いですよ」
「横倒しになったエリンギみたいずい」
「この氷山は元々、向かって右側の1割ほどが海面に出ていたん...
溶けたり割れたりとバランスを崩してこのようになってしまっ...
「氷山の一角って聞いたことあるずい!」
「こういった不安定な氷山は、いつ回転してしまうか分かりま...
下から突き上げられたリ、波で転覆する恐れがあるんですって」
「ずいは飛んで逃げるから平気ずいよ」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_35.jpg,left,nolink)
本日のお昼ご飯は、船上でのバーベキューパーティー
グリルで豪快にお肉を焼いて貰い、色とりどりの副菜とともに...
そして午後からはエンタープライズ島へ上陸しましょう
「ここはフィヨン湾と言って、スウェーデンの捕鯨船ガバナー...
この船体をはじめ、鉄製のコンテナやさびた銛・クジラの骨な...
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_36.jpg,left,nolink)
「いいですよぉ~可愛いですよぉ~」
「こっち向いてずい! いいポーズずい、素敵ずい!」
「しかしこのウェッデルアザラシさん、逃げるそぶりを見せま...
それどころか、カメラを向ける我々にポーズすら付けてくれる...
「愛想のいい子ずい、観光客慣れしてるずいかね?」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_37.jpg,left,nolink)
夕食後、希望者のみがボートに乗り込みポータルポイントとい...
ここは今までの上陸地と異なり、末端部ではあるものの南極大...
我々は今夜だけここでキャンプをして野外で眠ります
「髄鶴、もう雪は踏み固めましたか? しっかりと固めないとち...
「雪が深いし柔らかいから結構な労力だったずいよ
瘴鶴姉ぇこそおトイレ大丈夫ずいか? いつもみたいに漏らし...
「失礼な! 出発前に船内で済ませましたよ! いざとなれば先...
「ゾディアックに積んでたあれずいね…あれはちょっと恥ずかし...
「南極はその気温の低さと陸地の少なさ故に、バクテリアが少...
それに以前も言ったように、変な病原菌の媒介を防ぐためにも...
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_38.jpg,left,nolink)
「しかしこんなに眠いのに、まだ明るいずいなぁ…でも時計は23...
「それは白夜(びゃくや)だからですよ」
「百夜ずいか?」
「いいえ、それは1日中暗い状態が続く冬の現象ですね、白夜は...
太陽がずっと水平線近くを回っているので常に明るいのですよ」
「だから綺麗な夕焼け見た時はあんなに眠かったずいか!」
「今の時期だと、太陽が水平線より下に沈むのは午前2時~4時...
「こんなに明るい中で眠れるずいかなぁ…ずいはテントで寝るず...
「顔は多少冷たいですが中は暖かいですよ、せっかくの機会で...
「それじゃぁ、おやすみずい」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_39.jpg,left,nolink)
幸いな事に夜間の風は穏やかで、知らぬ間にぐっすりと眠いっ...
寝袋から這い出して本船へ戻り、すぐに身支度を整えます
6日目の午前は、シエルバ・コーブのクルージングへ出発です
「この入り江も実に美しいですねぇ、正面の島にはアルゼンチ...
「確かに綺麗ずいが…その…ちょっと飽きて来ちゃったずい
毎日、雪と氷に海と空ばっかりで、だんだん感動が薄れて来ち...
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_40.jpg,left,nolink)
「贅沢な悩みですが、気持ちはわからなくもありません
私も少し変わった氷山に目が行きがちですからね
カメラを構える頻度も減ってきた気がします」
~
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&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_41.jpg,left,nolink)
「でもこういう息を飲む美しさには、まだまだ心踊らされるず...
~
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#ref(tegakitabi02_42.jpg,left,nolink)
「こんなのも好きずいな
どうやって溶けたかとか、元はどんな形だったか想像するのが...
~
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&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_43.jpg,left,nolink)
「髄鶴、ヒョウアザラシが居ますよ!」
「あんまり可愛くないお顔ずいね」
「あのアザラシさんはなんと肉食で、ペンギンや他のアザラシ...
「アザラシってお魚食べるイメージだったずい…」
「他のアザラシと違ってあごが大きく、陸上の肉食獣のような...
「でも人間やずい達は平気ずいよね?」
「いいえ、人間と出会う頻度は多くないでしょうから、彼らに...
気を付けましょうね」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_44.jpg,left,nolink)
本船に戻り昼食のラザニアを頬張っていた我々は、船内放送を...
「またザトウクジラさんずいか? いちにーさんしー、4頭もい...
写真じゃ追いきれないからデジカメの動画機能で撮るずい」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_45.jpg,left,nolink)
午後からはトリニティー島へ向かいました
ボートのエンジン音に驚いて、イルカのように海面を跳ねなが...
「ここも大きな島ですねぇ、ほら丘の上にペンギンがあんなに...
浜辺にもいろいろ転がってますよ…」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_46.jpg,left,nolink)
「これ、クジラさんの骨ずいね…木製の小舟もボロボロずいな」
~
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#clear
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#ref(tegakitabi02_47.jpg,left,nolink)
「ここもジェンツーペンギンさんばっかりずいねぇ
ずいは、もっと他のペンギンさんも見たいずいよ?」
「本当はもう数種類出会えるんですが、南極に住むペンギンの...
時期的・場所的に他のペンギンさんは珍しいんです」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_48.jpg,left,nolink)
「髄鶴見なさい!
ほら、あそこの雪の上にうずくまってる黒い塊です!」
「あっ顔を上げたずい
真っ黒で小さくて、くちばしも短いずいね」
「アデリーペンギンさんですよ!
目元が私そっくりで、とっても愛らしいですよね」
「他に仲間が見当たらないずいよ…迷子ずい?」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_49.jpg,left,nolink)
「静かに、そーっとこちらへいらっしゃい」
「このアザラシさん、歌うようにキュウキュウ鳴いてるずいよ…...
「寝言なんでしょうか、まぶたや手足が小さく動いてますから...
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_50.jpg,left,nolink)
7日目の朝、船はデセプション島へたどり着きました
ゆっくりと慎重に、島の間をくぐり抜けます
「この辺りは雪がほとんど見当たらんずいな? 岩肌の色もなん...
瘴鶴姉ぇ、ここは何ペンギンが住んでるずい?」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_51.jpg,left,nolink)
「愚妹よ、あの浜辺を見なさい」
「ずい…なんか白いもやが立ってるずいな」
「あれは湯気なんですよ
なんとここデセプション島は、温泉が楽しめる場所なんです!」
「南極なのに温泉ずいか!?」
「驚くのも無理はありません、この島は活火山のカルデラ部分...
その狭い切れ目から内湾へ、船を滑り込ませて停泊しているん...
ともかく、水着を中に着て上陸しましょう!」
「巨大なマンハッタンはここにあったずい…!」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_52.jpg,left,nolink)
「ずいしょ…ずいしょ…これは重労働ずいね…
でも分かったずい、活火山で地熱が高いから、こうして浜辺に...
「そろそろ掘れましたか? 私が一番風呂ですよ!」
「さっさと掘るですって!」
深さは僅か20cm程度、温度は30度前後で温泉とは程遠いもので...
水着姿で上半身は寒風に震えながら、砂だらけのぬるい海水に...
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_53.jpg,left,nolink)
温泉で温まるついでに、南極の海での海水浴にも挑戦
流氷だらけの海よりはマシですが、水温はさして高くありません
「ずぃぃぃぃ~! 痛いずい!
寒いとか冷たいとかじゃなくて、体が痛いずいよ!」
「ででででででです、ですすすですってててて」
「そ、そういえば私風邪気味だったんでした、ゴホンゴホン
いやー残念ですねぇ、ゴホン」
「うぅ…10秒くらいしか耐えられんかったずい
1分も浸かってたら死んじゃうところだったずいよ…」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_54.jpg,left,nolink)
南極最後の船外活動は、ハーフムーン島散策で締めくくり
上陸した我々を、新しい仲間が出迎えてくれました
「ご覧なさい髄鶴、『チンストラップペンギン』和名をヒゲペ...
「お名前通り、あごの下に紐のような髭のような模様があるず...
「カラフルではありませんが、おしゃれさんですよね」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_55.jpg,left,nolink)
「この島はチンストラップさんの大きなコロニーがあるんですよ
ジェンツーさんよりやや小柄で気が強く、あちこちで鳴いてい...
「上向いて羽をパタパタさせて威嚇してるみたいずい」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_56.jpg,left,nolink)
この島を一望するために、サラサラの新雪を踏みしめて小高い...
「ほら、まだまだ先は長いですよ
アザラシさんの写真はほどほどにして、キリキリ登りなさい」
「この図愚姉っ! マンハッタン1個じゃ安すぎたずい」
「しかし運び方に愛がありませんね、もっと背負うとか他に方...
~
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~
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&br;
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#clear
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#ref(tegakitabi02_57.jpg,left,nolink)
「まさしく半月島ずいなぁ、大変だったけど登ってきて正解だ...
登山中の雲も綺麗な半月型で運命を感じたずいよ」
「ほほぅ、こんなところに苔が…」
「愚姉はほっといてずいはこの島を満喫するずい!」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_58.jpg,left,nolink)
「島を離れてから1時間くらいですかね? もう陸地がうっすら...
「あれ見るずい、あそこにでっかい氷山が浮いてるずいよ
こんな沖合にポツンとあるなんて珍しいずい…これで見納めな...
きっとずい達を見送ってくれてるずい!
瘴鶴姉ぇ、泣いてるずいか…?」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_59.jpg,left,nolink)
「なんだか物悲しいですね」
「もうこれで南極おしまいずいか?」
「あとはウシュアイアまで船の上ですよ…」
「本当に帰っちゃうずいね…飽きたなんて言わずに、もっと楽し...
最後の氷山に別れを告げて、船は北北西へと進路を取ります
~
~
~
~
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_60.jpg,left,nolink)
8日目、9日目は船内のプレゼンテーションルームにて、これま...
とにかく時間があるので、昼間から甲板でお酒を飲んだり、掲...
「ちょくちょく確認してたずいが、まとめて見るとたくさんの...
ペンギンさんとかもずい達が見てないだけで、他の人は見てた...
「クジラやアザラシもたくさん出会えましたよねぇ
これ以外にもカモメなどの鳥類系は用紙2枚分くらいありまし...
「名前見ても全然ピンとこなかったずいな」
~
~
~
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_61.jpg,left,nolink)
ウシュアイアへ帰港を明日の朝に控えた9日目の夕刻
船内では船長も参加してのパーティーが開催されます
本来であれば8日~9日朝にかけて、魔のドレーク海峡を越えな...
非常に幸運なことに帰路のドレーク海峡は、船長をして『ドレ...
おかげで皆、穏やかにパーティーを楽しむ事が出来ています
「とっても美味しそうですね、やまとこれ好きです」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_62.jpg,left,nolink)
「す、少しくらい分けてくれてもいいじゃないですかっ」
「このお船アイスケーキは全部やまとのですっ!」
「仲良く食べるずい」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_63.jpg,left,nolink)
入港まであと数時間
南極旅行の余韻に浸りながら、ラウンジで夜明けを待っていた...
「美しいずい…」
「ほんの数分前まで紺色のシーツのようだった海面が、あっと...
「眠いの我慢して起きてて正解だったずいよ」
「この感動を正確に表現する言葉がありません…」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_64.jpg,left,nolink)
「この水道を抜ければウシュアイアですよ、髄鶴楽しかったで...
「ずい! 別世界すぎて、まるで夢でも見ていたかのようずい」
「ぜひまた行きたいですね」
「…ずいは…少なくとも今はその気はないずい」
「おや、やっぱり飽きましたか?」
「そうじゃないずい! …ずいは南極という特別な場所に身を置...
また行って楽しみたいという気持ちよりも、気軽に足を踏み入...
「髄鶴…よい経験ができましたね」
&br;
&br;
#clear
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#ref(tegakitabi02_65.jpg,left,nolink)
「はー、ほんとに戻ってきちゃったずいなぁ」
「えぇ、久しぶりに土の地面を踏みましたね
次はどこへ旅に出かけましょうか」
「今度は暖かいところがいいずいよ!」
おしまい
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#clear
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#ref(tegakitabi02_66.jpg,left,nolink)
おまけ
南極旅行準備(実体験)
#clear
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[[手書き旅2 南極編 (前半)]]&br;
[[戻る>手書き連装砲ちゃん]]
終了行:
[[戻る>手書き連装砲ちゃん]]
* 手書き旅2 南極編 (後半) [#jf226f7c]
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#ref(tegakitabi02_31.jpg,left,nolink)
5日目も波乱の幕開け
当初予定していたオルネハーバーへの航路が、強い北風で運ば...
そこで予定を前倒しし、ウィルヘルミナベイのクルーズ等に変...
「予定変更はいいですが、移動時間のおかげで午前の行動時間...
「相手は雄大な自然だから悔やんでも仕方ないずい
それよりもこの時間を大切にいっぱい楽しむずいよ!」
「おや、髄鶴らしからぬ殊勝な考え方ですね、偉いですよ」
「ずへへ、それ程でもないずいよ
それはそうと、なんでこんなに複雑な形状になるずい?」
「そうですね、あちらに説明にいい場所がありますから行って...
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「昨日も似た場所がありましたが、このように陸地に降った雪...
そして重みに耐えかねて海に崩れてしまったものが、氷山や流...
「こうずいか? こうずいね?」
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「あそこの雪壁も美しいですねー、形がほとんど崩れずに割れ...
辺りを漂う細かい氷同士がこすれる、カラカラ、シャラシャラ...
「あの程度で殴るなんて姉の風上にも置けんずい」
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「こちらの氷山も非常に面白いですよ」
「横倒しになったエリンギみたいずい」
「この氷山は元々、向かって右側の1割ほどが海面に出ていたん...
溶けたり割れたりとバランスを崩してこのようになってしまっ...
「氷山の一角って聞いたことあるずい!」
「こういった不安定な氷山は、いつ回転してしまうか分かりま...
下から突き上げられたリ、波で転覆する恐れがあるんですって」
「ずいは飛んで逃げるから平気ずいよ」
&br;
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本日のお昼ご飯は、船上でのバーベキューパーティー
グリルで豪快にお肉を焼いて貰い、色とりどりの副菜とともに...
そして午後からはエンタープライズ島へ上陸しましょう
「ここはフィヨン湾と言って、スウェーデンの捕鯨船ガバナー...
この船体をはじめ、鉄製のコンテナやさびた銛・クジラの骨な...
&br;
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「いいですよぉ~可愛いですよぉ~」
「こっち向いてずい! いいポーズずい、素敵ずい!」
「しかしこのウェッデルアザラシさん、逃げるそぶりを見せま...
それどころか、カメラを向ける我々にポーズすら付けてくれる...
「愛想のいい子ずい、観光客慣れしてるずいかね?」
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夕食後、希望者のみがボートに乗り込みポータルポイントとい...
ここは今までの上陸地と異なり、末端部ではあるものの南極大...
我々は今夜だけここでキャンプをして野外で眠ります
「髄鶴、もう雪は踏み固めましたか? しっかりと固めないとち...
「雪が深いし柔らかいから結構な労力だったずいよ
瘴鶴姉ぇこそおトイレ大丈夫ずいか? いつもみたいに漏らし...
「失礼な! 出発前に船内で済ませましたよ! いざとなれば先...
「ゾディアックに積んでたあれずいね…あれはちょっと恥ずかし...
「南極はその気温の低さと陸地の少なさ故に、バクテリアが少...
それに以前も言ったように、変な病原菌の媒介を防ぐためにも...
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「百夜ずいか?」
「いいえ、それは1日中暗い状態が続く冬の現象ですね、白夜は...
太陽がずっと水平線近くを回っているので常に明るいのですよ」
「だから綺麗な夕焼け見た時はあんなに眠かったずいか!」
「今の時期だと、太陽が水平線より下に沈むのは午前2時~4時...
「こんなに明るい中で眠れるずいかなぁ…ずいはテントで寝るず...
「顔は多少冷たいですが中は暖かいですよ、せっかくの機会で...
「それじゃぁ、おやすみずい」
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幸いな事に夜間の風は穏やかで、知らぬ間にぐっすりと眠いっ...
寝袋から這い出して本船へ戻り、すぐに身支度を整えます
6日目の午前は、シエルバ・コーブのクルージングへ出発です
「この入り江も実に美しいですねぇ、正面の島にはアルゼンチ...
「確かに綺麗ずいが…その…ちょっと飽きて来ちゃったずい
毎日、雪と氷に海と空ばっかりで、だんだん感動が薄れて来ち...
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「贅沢な悩みですが、気持ちはわからなくもありません
私も少し変わった氷山に目が行きがちですからね
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「でもこういう息を飲む美しさには、まだまだ心踊らされるず...
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「こんなのも好きずいな
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「あんまり可愛くないお顔ずいね」
「あのアザラシさんはなんと肉食で、ペンギンや他のアザラシ...
「アザラシってお魚食べるイメージだったずい…」
「他のアザラシと違ってあごが大きく、陸上の肉食獣のような...
「でも人間やずい達は平気ずいよね?」
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気を付けましょうね」
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本船に戻り昼食のラザニアを頬張っていた我々は、船内放送を...
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写真じゃ追いきれないからデジカメの動画機能で撮るずい」
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午後からはトリニティー島へ向かいました
ボートのエンジン音に驚いて、イルカのように海面を跳ねなが...
「ここも大きな島ですねぇ、ほら丘の上にペンギンがあんなに...
浜辺にもいろいろ転がってますよ…」
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「髄鶴見なさい!
ほら、あそこの雪の上にうずくまってる黒い塊です!」
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真っ黒で小さくて、くちばしも短いずいね」
「アデリーペンギンさんですよ!
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ゆっくりと慎重に、島の間をくぐり抜けます
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瘴鶴姉ぇ、ここは何ペンギンが住んでるずい?」
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「愚妹よ、あの浜辺を見なさい」
「ずい…なんか白いもやが立ってるずいな」
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なんとここデセプション島は、温泉が楽しめる場所なんです!」
「南極なのに温泉ずいか!?」
「驚くのも無理はありません、この島は活火山のカルデラ部分...
その狭い切れ目から内湾へ、船を滑り込ませて停泊しているん...
ともかく、水着を中に着て上陸しましょう!」
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「ずいしょ…ずいしょ…これは重労働ずいね…
でも分かったずい、活火山で地熱が高いから、こうして浜辺に...
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「さっさと掘るですって!」
深さは僅か20cm程度、温度は30度前後で温泉とは程遠いもので...
水着姿で上半身は寒風に震えながら、砂だらけのぬるい海水に...
&br;
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温泉で温まるついでに、南極の海での海水浴にも挑戦
流氷だらけの海よりはマシですが、水温はさして高くありません
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寒いとか冷たいとかじゃなくて、体が痛いずいよ!」
「ででででででです、ですすすですってててて」
「そ、そういえば私風邪気味だったんでした、ゴホンゴホン
いやー残念ですねぇ、ゴホン」
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南極最後の船外活動は、ハーフムーン島散策で締めくくり
上陸した我々を、新しい仲間が出迎えてくれました
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#ref(tegakitabi02_55.jpg,left,nolink)
「この島はチンストラップさんの大きなコロニーがあるんですよ
ジェンツーさんよりやや小柄で気が強く、あちこちで鳴いてい...
「上向いて羽をパタパタさせて威嚇してるみたいずい」
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#ref(tegakitabi02_56.jpg,left,nolink)
この島を一望するために、サラサラの新雪を踏みしめて小高い...
「ほら、まだまだ先は長いですよ
アザラシさんの写真はほどほどにして、キリキリ登りなさい」
「この図愚姉っ! マンハッタン1個じゃ安すぎたずい」
「しかし運び方に愛がありませんね、もっと背負うとか他に方...
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#ref(tegakitabi02_57.jpg,left,nolink)
「まさしく半月島ずいなぁ、大変だったけど登ってきて正解だ...
登山中の雲も綺麗な半月型で運命を感じたずいよ」
「ほほぅ、こんなところに苔が…」
「愚姉はほっといてずいはこの島を満喫するずい!」
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#ref(tegakitabi02_58.jpg,left,nolink)
「島を離れてから1時間くらいですかね? もう陸地がうっすら...
「あれ見るずい、あそこにでっかい氷山が浮いてるずいよ
こんな沖合にポツンとあるなんて珍しいずい…これで見納めな...
きっとずい達を見送ってくれてるずい!
瘴鶴姉ぇ、泣いてるずいか…?」
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#ref(tegakitabi02_59.jpg,left,nolink)
「なんだか物悲しいですね」
「もうこれで南極おしまいずいか?」
「あとはウシュアイアまで船の上ですよ…」
「本当に帰っちゃうずいね…飽きたなんて言わずに、もっと楽し...
最後の氷山に別れを告げて、船は北北西へと進路を取ります
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#ref(tegakitabi02_60.jpg,left,nolink)
8日目、9日目は船内のプレゼンテーションルームにて、これま...
とにかく時間があるので、昼間から甲板でお酒を飲んだり、掲...
「ちょくちょく確認してたずいが、まとめて見るとたくさんの...
ペンギンさんとかもずい達が見てないだけで、他の人は見てた...
「クジラやアザラシもたくさん出会えましたよねぇ
これ以外にもカモメなどの鳥類系は用紙2枚分くらいありまし...
「名前見ても全然ピンとこなかったずいな」
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#ref(tegakitabi02_61.jpg,left,nolink)
ウシュアイアへ帰港を明日の朝に控えた9日目の夕刻
船内では船長も参加してのパーティーが開催されます
本来であれば8日~9日朝にかけて、魔のドレーク海峡を越えな...
非常に幸運なことに帰路のドレーク海峡は、船長をして『ドレ...
おかげで皆、穏やかにパーティーを楽しむ事が出来ています
「とっても美味しそうですね、やまとこれ好きです」
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#ref(tegakitabi02_62.jpg,left,nolink)
「す、少しくらい分けてくれてもいいじゃないですかっ」
「このお船アイスケーキは全部やまとのですっ!」
「仲良く食べるずい」
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#ref(tegakitabi02_63.jpg,left,nolink)
入港まであと数時間
南極旅行の余韻に浸りながら、ラウンジで夜明けを待っていた...
「美しいずい…」
「ほんの数分前まで紺色のシーツのようだった海面が、あっと...
「眠いの我慢して起きてて正解だったずいよ」
「この感動を正確に表現する言葉がありません…」
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#ref(tegakitabi02_64.jpg,left,nolink)
「この水道を抜ければウシュアイアですよ、髄鶴楽しかったで...
「ずい! 別世界すぎて、まるで夢でも見ていたかのようずい」
「ぜひまた行きたいですね」
「…ずいは…少なくとも今はその気はないずい」
「おや、やっぱり飽きましたか?」
「そうじゃないずい! …ずいは南極という特別な場所に身を置...
また行って楽しみたいという気持ちよりも、気軽に足を踏み入...
「髄鶴…よい経験ができましたね」
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「はー、ほんとに戻ってきちゃったずいなぁ」
「えぇ、久しぶりに土の地面を踏みましたね
次はどこへ旅に出かけましょうか」
「今度は暖かいところがいいずいよ!」
おしまい
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#ref(tegakitabi02_66.jpg,left,nolink)
おまけ
南極旅行準備(実体験)
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[[手書き旅2 南極編 (前半)]]&br;
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